毎日いいなって思えたらいいな

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ピカピカマンションとお婆ちゃん

仕事で物件を見に行った。計画中のリノベーション物件だ。私は担当外で急遽ヘルパーとして駆り出されたため、物件担当の我が社のホープ君の後にボケーっとついて行った。『現場までの所要時間は30分くらいですかねー』と聞いていたが、降りる駅を通り過ぎてしまうだの、次の電車は20分後と乗り継ぎも悪いだので結局二倍の時間を要した。やっと現場に着いたと思えば玄関の鍵を忘れるという大失態をぶちかます。まさかの!物件を見れずに帰るというミラクルが起きた。これは初めての経験だ。(私がもっと若ければブチ切れているに違いない。)

 

 

そんなテンションだだ下がり気味のどんよりムードを吹っ飛ばす管理員のお婆ちゃんが現れたのだ。f:id:genyuri0420:20171004162448j:plain

 

とりあえずよく喋る。喋りながらも両手に持った雑巾でカウンターを拭く手は止まらない。とても働き者で元気なお婆ちゃんである。相撲をとったら負けそうだ。そして顔がバカ殿並みに白い、、、いや仕事への使命感がすごい。色々物件を見てきたからわかる、このマンションは愛されている。磨き上げられた共用部がそれを物語っている。とても古い物件でオシャレ感もゼロなのだが、確かなレトロ感がある。その仕事をする人のモチベーションというのはすごく大切で、同じ時間、手間をかけたとしても完成度が断然変わってくる。お婆ちゃんの前向きで真剣な仕事ぶりがマンションの空気感にそのままあらわれていた。

 

(私)『とても綺麗に手入れされていますね。素晴らしいですね。』

 

その一言でお婆ちゃんの使命感に溢れた爆弾トークが炸裂。"そうでしょうー!私ここで35年やってんの!最初は本当に汚くてね、私が大改革しましたの!綺麗でしょう!インターネットにも載ったのよ。素晴らしいでしょ。すぐ売れますよ!前の幹線道路が★♪○$☆〒防音設備も*☆●★★●×♪○………"(まだまだ話は続く・・・)

 

いやー本当にすごい。物件がではなくお婆ちゃんが。あの歳になってもあんなに生き生きとしながら前向きに仕事が出来るって羨ましい。しかも並々ならぬ使命感に満ちて、やり甲斐を感じてである。早くリタイヤする事ばかりを考え、老後資金のシュミレーションをして "全然足りない・・・” と途方にくれるという何とも後ろ向きな考えをしていた自分を責める。馬鹿馬鹿馬鹿バカーーー! 

 お婆ちゃんはしっかりと社会貢献をしている、たとえ100世帯程の分譲マンションという小さな社会であっても。ここの住人はみんな感謝しているだろう。”誰かの役にたつこと"、”誰かに感謝されること”、お婆ちゃんの屈託のない笑顔とみなぎる生命力の源はそこにあるのかもなぁ。

 

元気いただきました。