楽しいこと
いつも保育所の帰り道、娘に”今日は楽しかった??今日は何が楽しかった?”と聞くのが日課となっている。そのほとんどの答えが『○○ちゃんと○○パーティーしたことーーー』 で "毎日がパーティー三昧なのだなーそりゃ楽しいわなーーってほんまか~??" などと私は心の中で突っ込んでいる。
ある日、娘に 『母ちゃんは今日は何が楽しかった?』 と聞かれ 『えーっとねー、母ちゃんはねー……』 直ぐ答えが出てこない。即答できないのである。今日何か楽しかったか??確かに嫌な事はなかった。自分のやりたい仕事に就き、ものづくりの現場でそれなりに楽しく仕事に従事できている。特に仕事でのトラブルもなかったし、昼ごはんも美味しく頂き、職場の仲間との会話もそれなりに面白おかしく盛り上がった。でも楽しいこと???
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なんだろうか、楽しい事って。
そうか、あえて振り絞って考えないと大人ってなかなか今日の楽しかったことって思い出せないのか。体と一緒で頭の感覚が鈍ってるんだなー。だから "この一週間何してたっけ??特別な事は無かったけどなんか疲れたなーー" という状況になり、あっという間に3年とか過ぎている。ただただ時間を垂れ流しているのだ。大人も子供も同じだけの時間が与えられているのに、残ったものは薄い灰色の時間軸だけ。娘の時間軸はどうだろう。きっと色とりどりに染まっているはずだ。
そんな事を思いながら、あえて鈍い頭を振り絞って考えてみると ”そういやあれもなかなか楽しかったな~” だとかぽろぽろ出てくる。
『今日はね、母ちゃんはお仕事でね、いい感じのチラシが出来てねウキウキしたよ、みんなにもいいね!って言ってもらってね、嬉しかったんだよーーー』
『へーーーそうなん。』
自転車の後ろの席で秋風に吹かれて気持ちが良かったのか、娘のすっごい拳の効いたでっかい鼻歌が始まった。
息子はいつも同じ場所のブロック塀を指して『おぉぉ‼︎ううううう!!!!!』と興奮している。一体何が見えているのか。
私は "雨やんで良かったなーー" とぼんやり思いながら自転車をこいだ。歌詞がハチャメチャな娘の鼻歌を聞きながらニヤニヤしてしまった。