靴下についての色々
主人は仕事柄安全靴を着用する。その硬いつま先のせいもあってかよく靴下に穴があく。親指の爪の外側部分である。3足990円の安物の靴下だけれど縫ってくれとリクエストがあるものだからせっせと縫う。するとまた縫ったすぐ横に穴があく。また縫ってくれと言うのでまたまたせっせと縫う。これを一枚あたり4回くらいは繰り返すだろうか。するとつま先が何重にも縫い合わされていき歪に小さくなってゆく。それでも良いと言うのでまたせっせと靴下を縫う。靴下は小さくなる一方である。
ちなみに普段履きの靴下はというと乾燥機で縮んで子供の靴下並みにこじんまりしている。本来のサイズ差8センチは乾燥機により吸い取られてちんまり、この有様である。
彼が持っている靴下は全部縮こまっていく宿命なのか、それとも運命なのか。まったくもって気の毒である。
5歳の長女はとりあえずヒラヒラ〜のキラキラ〜が大好きで、これには本当に頭を抱えているのだけれど、日々彼女のこだわりは強まっていく一方で、もはや親の力では抑えきれなくなっている。もうこれは彼女の個性だ!これを伸ばしてやる方がいいのでは…と考えを改め、なるべく彼女の意に沿うものを着せてやろうと苦心しつつも努力している。素材感、着丈、色、アレンジの可能性、そして世間的に見ておかしい事になっていないか、あらゆる方向から彼女の衣服を選んでいる。そんなこだわりのファッションに似つかわしい靴下、それはもちろんフリフリのレースが施されたこんなやつで親より高価な靴下をはいている。
家族で唯一洗濯ネットに入れて洗濯する高待遇っぷり。この靴下格差社会という現実…父ちゃんの靴下が可哀想…である。
また自分の足にフィットするものでなければならない。ピタっとする服やチクチクするウールの服も嫌いだが、それ以上にフィットしない靴下はもっと嫌らしい。
もう探すのに疲れてしまって靴下難民と化している、彼女ではなく母が…である。もちろんそんなに母ちゃんが悩んでいる事など彼女は知らない。
私の靴下は足首丈のものが6足、それで全てである。
何て事ない無地のシンプルなやつで鮮やかな赤が4足、黒が1足、青が1足という偏った内容である。最近服装の定番化運動を推し進めており、その内の1つ"赤色の靴下"がそれである。冬こそ鮮やかな色を纏いたい!その想いが発端となり赤色靴下に発展した。
何とも地味な所から攻めたものである。
三足千円の靴下を同じ鮮やかな赤色の靴下三足を買うときは何だかドキドキした。家の近所の店だったので、他で出くわした時
"あっ、赤靴下の女だ!今日はたこ焼き買ってるぞ!!"
とか思われたりはしないだろうか、とか……。ただの小心者である。
あと需要が無いからか、無地の鮮やかな赤色の靴下ってなかなか見つからない。いざ見つけた時は在庫が4足しかなく、全部買いたかったのだけれど3足千円ということもあり一足諦めたのだが、その店の前を通り赤の靴下が無くなっているのを見る度に、
"やっぱりあの時買えば良かったなぁー"とか、"惜しい事をしたなぁー"とか小さい後悔をするのである。
2歳になった息子は無駄に大量のお下がりの靴下を所有している。微妙に着古されている靴下でも"おれパンダ!""おれカエル!"と小さな指で必死に足元を指して嬉しそうにアピールしている。
概ね満足そうである。
ってか靴下如きと完全にナメてたけど、
靴下なんて履けりゃいいやん!と完全に下に見てたけど、
靴下って意外と難しいのね!