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どんぐりおじさん

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週末は駅前のミスドか、パンを買って近くの決まった公園で朝食をとるという生活がここ5年定着している。

 

 

その日は天気も良かったので公園で朝食をとることにした。『もうそろそろどんぐりの季節だなぁー』とぼんやり思った。親に似て収集グセのある娘が毎年どんぐりを馬鹿ほど拾い集めるので、この公園内のどの位置にどんぐりの木があるのか熟知している。見にいけばどんぐりはまだ落ちていないものの、木には青いどんぐりがたわわに実っている。来週ぐらいかなーと娘と話していた。

 

そのときふと思い出したあの"どんぐりおじさん"  。子供達がどんぐりを一生懸命拾っていると、そのおじさんがやって来て木を揺すりまくり、どんぐりを沢山落としてくれるのだ。

 

 

朝の公園にはオッサンとじじいが沢山いる。それらの仲良しグループが点在しており、各々の縄張りのベンチに座ってビールを飲んでいる。(これはうちの地域限定かもしれないが。)そして子供が多くなってくる9時過ぎくらいに居なくなる。気を使っているのか、病院に行く時間だからかはわからないが、いつの間にか居なくなる。でもそのどんぐりおじさんは子供達が来るのを  "待って居ました!"  とばかりに待ち構えていて、木を揺らし回るのだ。そういえばここ最近見ていない。調子が悪いのか、と知り合いでもないが気になった。言葉は交わさないが、お互いが何となく確かめ合う、そんなぼんやりとした緩い空気感が漂っていて、確かな地域のコミュニティがここにはある。結構ディープな空気感だなぁーと最初は思っていたけれど、今ではすっかり馴染んで我が家もその空気感のちいこい一部になっているに違いない。真冬はミスドに場所替えするので一定期間公園にはいかない時期がある。その間こちらは2人目が誕生したり、子供が居ると何かと変化があるので、『おっ、最近見かけへんと思ったら2人目産まれとるで、あそこー、上の子えらい大きなってるやんけー』とおっさん間で話していたのかもしれない。そうなっていたら我が家も立派な公園族である。将来主人もどんぐりの木を揺らしているんじゃないかな、どちらかと言うとそういう素質を持ち合わせている人だから。想像して思わずニヤけてしまった。

 

 

海老カツのオープンサンドとクロワッサンを食べながら、どんぐりが茶色に色付く頃、どんぐりおじさんが元気に木を揺すっている姿をぼんやり想像した。何だか少し暗い気持ちも混じり合った微妙な期待をしている自分がいた。

 

 


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